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監視リストとはー米国為替報告書

監視リストとはー米国為替報告書



監視リストとは

監視リスト(読み方:かんしりすと)とは、「為替監理リスト」とも呼ばれる、米国でTPP合意に向けて2015年に成立した「大統領貿易促進権限(TPA)法」に続いて2016年2月に成立した「貿易円滑化・貿易執行法」に基づいて、米政府が貿易相手国の為替政策について「監視対象」とした国・地域のリストのことです。米財務省が4月と10月に連邦議会に提出する為替報告書は、自国の輸出競争力を上げる目的で不正に通貨安誘導を行った国・地域を「為替操作国」として制裁を発動する仕組みですが、新たに「監視リスト」を設けて、すぐ制裁するほどではないにしても貿易相手国の為替政策をけん制できるようにしました。



監視リスト入りの基準・監視リスト入りしたら?

米国は、貿易相手国の為替政策が不公平なものではないか(自国の輸出競争力を上げる目的で不正に通貨安誘導を行っていないか等)を以下の3つの基準で審査し、原則2つ該当すれば監視リストに指定されます。

  1. 対米貿易黒字が200億ドル以上
  2. 経常黒字国内総生産(GDP)比3%以上(2019年5月に「2%以上」に引き下げられました)
  3. 年間の為替介入規模がGDP比2%以上(2019年5月に「為替介入による外貨購入が1年で6カ月以上かつGDPの2%以上」に基準が引き下げられました)

上記3項目全てに該当する貿易相手国に対して是正を促し、1年たっても是正されなければ、制裁の対象として貿易相手国の企業を米政府との取引から締め出したり、通商協定の締結や交渉参加にあたり、USTR(米国通商代表部)に考慮を求めるなどの是正措置を発動できる。



背景

監視リストは、貿易相手国の為替介入をけん制するとともに、TPPの批准に向け米議会を懐柔する目的があるとされています。オバマ政権(民主党)はTPPの批准にメドが立っておらず、大統領選を前に国民は貿易相手国が通貨安誘導で自国の製品を有利に売り込んでいる、と自由貿易協定に対して批判が高まっています。一方で、民主党に対抗する共和党は伝統的に自由貿易を推進してきましたので、両党の思惑の妥協点として監視リストを設けて為替操作国への強硬姿勢を国民に示してTPPの早期批准のメドを立てたい狙いがあるとされています。



監視リストに指定された国

2019年5月時点

  • 日本
  • 中国
  • ドイツ
  • 韓国
  • イタリア
  • アイルランド
  • シンガポール
  • マレーシア
  • ベトナム


為替操作国に認定

過去、1980-1990年代に中国、台湾、韓国が為替操作国に認定されています。

また、2019年8月には中国が為替操作国に認定されました。その際、中国は上記3つの監視リスト入りの基準にも当てはまっていませんでしたが認定されました。その解説は「為替操作国(かわせそうさこく)とは」のページの「2019年8月中国を為替操作国に認定・その認定基準」の欄を参照してください。



:姉妹サイト「株式投資大百科」の解説ページ























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