民間金融機関 が日本銀行に預けているお金(預金)は約260兆円あります。民間金融機関は、その預金につく金利が収益の一部となっていましたが、日本銀行の金融政策の一つであるマイナス金利の導入によってその金利がゼロやマイナスになってしまえば、民間金融機関への影響が多大となってしまいます。よって、日本銀行は民間金融機関がこれまで預けていたお金につく金利は変えず、今後増える分をマイナス金利とすることにしました(当初は10兆円がその対象となり、年10〜30兆円のペースで増えていく見通しとなっています)。
具体的には、民間金融機関が日本銀行に預ける預金(日銀当座預金 )を3段階に分け、それぞれプラス金利・ゼロ金利・マイナス金利を適用する構造となりました。
日銀当座預金の金利の3段階の構造
プラス金利
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日本銀行のこれまでの「量的・質的金融緩和(QQE) 」で、各金融機関が預けてきた残高はこれまでと同じ扱いにする。具体的には15年の平均残高までの部分はプラス0.1%とする。
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ゼロ金利
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@民間金融機関が預金保護のために日本銀行にお金の預け入れを求められている「所要準備額 」にあたる残高
A経済成長のために民間金融機関の貸し出しを増やすために日本銀行が実施しているお金を供給する手段である「貸出支援基金 」や、東日本大震災の被災地にある民間金融機関へのお金の供給手段である「被災地金融機関支援オペ」によりお金の供給を受けている場合には、その金額が対象。
B民間金融機関が日本銀行に預ける残高が増え続けることを考慮して、タイミングをみてゼロ金利適用部分を増やしていく。
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マイナス金利
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各金融機関が日本銀行にお金を預ける残高のうち、プラス金利適用部分とゼロ金利適用部分を上回る部分をマイナス0.1%の金利とする。
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※民間金融機関が日本銀行の預金を取り崩して現金を保有することによってマイナス金利から逃れることを防ぐために、民間金融機関の現金保有額が大きく増えた場合には、その増えた金額をゼロ金利適用部分から差し引く、としています。
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